2010年04月04日

漆は不思議

この週末は、めずらしく土曜日午前中は会社に出たので
午後だけ工房に行きました。
午後2時から7時までの5時間の作業でした。
花台をもう一つ作っています。

自宅で拭き漆を進めています。
今回は漆の紹介を少し。
まず、普段使っているチューブ入りの漆。
中国産の漆です。漆の木から採取した樹液から
ゴミなどを除いただけの生漆(きうるし)
拭き漆などに使います。
写真のチューブは100グラムで2000円ほど。
国産の漆の方が色ツヤともに優れていると言われますが
5倍ほどの価格になります。
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チューブからしぼり出した直後の状態。
乳白色に近いですが、30秒後には次のような
状態になります。
表面からどんどん黒くなってきます。
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私が所有している漆刷毛です。
人の髪の毛でできています。
髪の毛を固めて、木の板でカバーしてあります。
先が減ってきたら、木の部分を削って新しい
毛を出して使います。
全通し、とか半通しとかあります。
全通しは刷毛の端から端まで髪の毛が入っています。
つまり、鉛筆と同じで削りながら使いますので
短くなって持てなくなるまで使えます。

左はオークヴィレッジで初めて拭き漆を教わった時に
購入した物で、木地のままで使っています。
右側の3本は東京御徒町の漆芸教室に通っている時に
購入した物です。教室で最初に習うことは木地の刷毛に
和紙や麻布を貼って黒漆を塗って、写真のような自分の
刷毛を作ることです。
下塗り用と上塗り用に分けてあり、この3本は拭き漆
以外にも使います。
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拭き漆を始めた花台ですが、4回が終わりました。
漆は不思議な塗料で、湿度と温度が無いと乾きません。
乾く、というよりは湿度と温度で化学反応が進み
漆が硬化する、ということでしょうか。

6月から9月ぐらいは何もしなくても乾きますが
この時期は温度、湿度ともに足りません。
ダンボール箱に湿らせたタオルなでを入れて湿度を与え
作品を入れて、電気毛布などを箱の上に被せて
保温してやります。
8時間ほどで乾きます。
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2007年10月29日

自然の不思議


自然の材料である木材を使う家具作りでありますが

木の表面に現れた杢を見る時、自然の不思議をより強く

感じることができます。




栃の縮杢もそのひとつです。

数年前、富山県井波町の野原銘木店で買い求めた

栃縮の角材から今回は箸箱を作ってみました。

薄板を留めで接着して箱にしてあります。

拭き漆仕上げとしました。




長さ25センチほどの作品ですが、数えてみると

45本の縞を数えることができます。

細かい縮の部類に入ると思います。




こういう材料を引き立たせる作品はどういう物なのか

難しいです。

昔から拭き漆が良く使われてきた仕上げですが

ウレタンの鏡面仕上げや漆の木地呂塗りなども

おもしろいと思っています。

色々試してみたいものです。




posted by acanthogobius at 22:39| Comment(2) | TrackBack(0) |

2007年09月17日

漆の木の板


東京は御徒町にある播与漆行で行われている漆芸教室

に通っていた時の話です。

生徒が漆を塗った作品の乾燥室になっている大きな

ガラスケースの中に黄色い見慣れない木でできたお盆が

置かれていました。

鮮烈な黄色と美しい木目が印象深く、先生に聞いてみると

漆の木だということでした。




漆という言葉を聞いて普通に思い出すのは塗料としての物です。

塗料としての漆を生み出す元の木については知らないのが

実状だと思います。




最近、ブログでお世話になっている半田市の齋田さんの

紹介で丸ス松井材木店さんのホームページを見ていると

なんと漆の木の製材の様子が掲載されていました。

早速、メールにて問い合わせると、その時の一枚が

残っている、とのことでした。




購入したのが写真の板です。

2.4メートル長、40センチ巾、6センチ厚ほどです。

塗料としての漆を採られたことがない木だそうで

漆の木としては大きな方だと思います。

表面は黒くなっていましたが、試しに鉋で削ってみると

鮮烈な黄色が顔を出しました。




漆の木の購入にあたって、少し気になったことは

出来上がった作品を使った人が漆にかぶれることは

ないのだろうか、ということでした。

ネットで調べてもその辺の情報は得られなかったので

漆芸教室でお世話になった先生に聞いてみました。

製材後、数年経っていればウルシオールが既に固まって

いるのでかぶれる心配はないそうです。




硬さは桐より少し硬い程度で軽い木です。

挽物にしてみたいとは思いますが、刃物の「切れ」

が要求されるかもしれません。










posted by acanthogobius at 21:55| Comment(4) | TrackBack(0) |

2007年08月17日

拭き漆プラスα


漆芸教室に3年間ほど通ったことがあります。

週一回仕事の帰りに2時間ほどの教室でした。




教室に通っている時に購入した「木の美ー伝統の日本」

という本の中に大野昭和斎という工芸作家の杢目沈金

という作品が掲載されていました。




ちょうど、通っていた漆芸教室でお椀に拭き漆を

していたので先生に杢目沈金がやってみたいと

申し出ました。

できあがったのが写真の作品です。

お椀の木地は教室で購入したものです。




拭き漆をした後で杢目に金を埋め込んであります。

光線の加減で見えにくいこともありますし

金とはいっても派手な感じはありませんが

拭き漆にプラスαの付加価値を付けるためには

ひとつの手段だと思います。




posted by acanthogobius at 12:17| Comment(0) | TrackBack(0) |

2007年05月15日

拭漆 その2


前回と同じタモの玉杢を使って小箱をもうひとつ作りました。

材料は同じですが作り方を少し変えてみました。

今回は八角形にして板の矧ぎ合わせる方向を前回と逆にしました。




前回は木端どうしを接着し底板ははめ込み式にしました。

そのため、接着力は強いですが木口が上の面に出てしまいます。




今回は木口接着になりますが上の面が木端になるのできれいです。

また、底板は台輪を作って接着式としました。

こちらの方がより指物の技法に近いのではないでしょうか。

矧ぎ合わせ面の上部にはチギリを入れて補強しました。




拭漆シリーズをもう少し続けてみようかと思います。

手間は掛かりますが私の好きな仕上げ方法です。

posted by acanthogobius at 21:13| Comment(0) | TrackBack(0) |

2007年05月06日

久しぶりの拭漆


以前に知人からいただいた玉杢の出たタモの薄板があったので

小箱を作ってみました。

直径17センチほど、高さ12センチほどの六角形です。

仕切りを入れて筆記具や眼鏡、リモコンなどを立てられる

ようにしました。




玉杢ということで、やはり拭漆としました。

私が漆を始めたのはオークヴィレッジの夏のセミナーで

3泊4日の漆塗り教室に参加してからです。




教室に参加する前、森林たくみ塾の理事長をされている

佃先生と飲み会でご一緒する機会がありましたが

その席で佃先生から「君のようなタイプは漆にはかぶれないと思う」

と言われました。私のどこを見てそう言われたのか定かではありません

が私はお酒に弱く、その飲み会でも真っ赤な顔をしていたので

その辺を見られて先生の経験からそう言われたのかもしれません。




その時は先生の言葉には半信半疑だったので、漆塗り教室に参加した

時は心配しましたが結局かぶれませんでした。




3年前まで約3年間御徒町にある播与漆行という漆屋さんで行われている

週一回の漆芸教室に通い東京芸大漆芸科出身の柴田先生に拭漆を初め

蒔絵や螺鈿など漆芸の初歩を教わりました。

もちろん、漆を扱う時はゴム手袋をして、できるだけ直接漆には

触らないようにしてはいるのですが今まで一度もかぶれたことが

ありません。




今回の作品も木の木目と漆が作品を支えてくれていると言っても

過言ではありません。漆に感謝です。

機会があるごとに漆は使って行きたいと思っています。







posted by acanthogobius at 21:42| Comment(1) | TrackBack(0) |

2007年01月06日

「松田権六の世界」展


今日、「松田権六の世界」展を見学してきました。

2月25日まで東京国立近代美術館工芸館で開催されています。

松田権六(1896ー1986)は近代漆芸において偉大な功績を

残された方です。




私も漆には興味があり、遊びではありましたが3年ほど週一回の

漆芸教室に通い漆芸の難しさを知っている者にとって今回の

約70点におよぶ初期から晩年に至る作品の数々はやはり圧巻で

した。




漆芸の確かな技術もさることながら、そのデッサン力、観察力

構成力やバランスなどが相互に相まってこれだけの作品が

できあがっていることは間違いありません。




私にとっては2007年の幕開けにうれしい体験でした。

posted by acanthogobius at 22:11| Comment(0) |

2006年09月21日

ハイビジョン特集 漆聖・松田権六が夢見た世界


約2年ほど前まで、約3年間にわたって漆塗りを教わっていました。

週に一回、会社帰りに午後6時から2時間、東京は御徒町にある

播与漆行という漆や漆芸の道具販売店の2階で漆塗り教室が

開催されていました。

芸大、漆芸科出身の柴田先生にお世話になりました。




写真はその時私が漆を塗ったお盆です。今思えば無謀な事を

最初からやったな、と思いますが、各種漆芸技法てんこ盛り

でした。蒔絵も平蒔絵、高蒔絵、研ぎ出し蒔絵、螺鈿に

卵殻技法まで、週一回の教室とはいえ、お盆一つ塗るのに

3年近くかかってしまいました。




さて、今回のタイトルは9月29日、午後9時からNHKハイビジョン

で放送予定の番組です。今日たまたまNHKテレビを見ていて

放送予定を知りました。漆塗りを少しでもかじった私としては

興味深い番組です。

忘れずに録画したいと思います。

posted by acanthogobius at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) |